装置仕様をよりうまく伝える方法
仕様書に必要な機能を細かく記載する事はとても良いと思います。必要な項目を仕様書に記載する事の次段階として、もっとうまくその内容を製作者側へ伝える事ができれば、今よりもトラブルの少ない機械装置製作の運用になるのではないかと思います。
ここでは外観図を作る。という事を一つの方法としてご提案します。
フリーソフトを使って、比較的見栄えよく、(およそ)1/1スケールで、さらには短時間で外観図を作成する方法をここでは推奨したいと思います。すべて無償でトライできますし、これにより下流の工程担当の理解が進む事で時間的なコストの削減が可能となります。トラブルももちろん減る傾向になると思われます。トラブルも減って見栄えも良くなる。そんな仕様書が作成できるはずです。
外観図作成の概要
まずは簡単に全体をまとめてお伝えします。
inkscapeをインストールする
inkscapeにイラストをインポートする
イラスト以外の部分を作図する
簡単に言うと上記3手順となります。
ここでの注目ポイントとしては設計者ではない人でも作成できるという点です。仕様書を作成する人が外観図を設計者に依頼をしていると打ち合わせ、設計工数、余計な時間や費用が掛かってきます。理想としては外観図に限っては半日~1日で完成させたいところです。短い時間で内容がよく伝わる外観図を作成するという事が最大の目的です。
大丈夫です。具体的手法に移っていきたいと思います。
外観図作成の具体的手順
1 inkscapeをインストールする
inkscapeというのはフリーで使用できるベクター形式の画像作成ソフトウェアです。インストール方法は以下から最新版をダウンロードしてください。
ベクター画像って何?という点について説明します。ベクター画像とは形を表現するのに数値情報の集合を用いているもので、特徴はサイズや解像度で同じ品質の出力結果となるという点です。要は大きくしてもキレイに見える。拡大縮小しても同じ感じで見えるので与える印象が安定するのが良き点ですね。
2 inkscapeにイラストをインポートする
イラストに関してはこのサイトで日々更新するイラスト一覧からのダウンロードを行います。基本自由にお使い頂けるので安心してご使用ください。一応注意事項もあるのでそちらを読んでからのご使用が推奨となります。
無料FA機器・ユニットイラスト
装置を構成するものを選んで画像をinkscapeにインポートします。
3 イラスト以外の部分を作図する
イラストだけでは外観は完成しないので、インポートしたイラストをつなげて一つの装置の外観を作り上げます。ここはある程度経験が必要ですが、テンプレートを作成しストックしていく事でそのストックの引き出しで外観を短時間で作成する事ができます。
実際に作図するところは以下の作図編を参考にしてください。