はじめに
FA計画.comでは機械素材のフリー素材のイラストをアップロードしています。それらを組み合わせてイラストを描く事によって、より詳しく仕様を伝えたり、相互理解が深まり装置構想の齟齬を減らす事によって、より良い機械装置を作る事ができるのではないかと思っています。ここではアルミフレームのイラストを基に簡単な架台を描画してみてInkscapeの使い方や簡単なイラストの作成方法を知ってもらえると幸いです。
アルミフレーム製の架台を描く
早速、今回描いてみるアルミフレーム製の架台の仕様を決定しましょう。
外形寸法 | 横1000㎜×奥行800㎜×高さ800㎜(フレーム部) |
フレーム | 40㎜×40㎜ |
天板仕様 | 20㎜厚 全面、 12mm厚 足元の底部 |
足元 | キャスター、レベルアジャスタ付 |
アルミフレームのイラストをダウンロードする
まずはアルミフレームのイラストをダウンロードします。FA計画.comのイラストライブラリからダウンロードしてみましょう。
アルミフレームのイラストをインポートする
ダウンロードが完了したら、描いていきましょう。inkscapeを起動してダウンロードしたアルミフレームのイラストをインポートします。
ここからダウンロードした「AluminumFrame1.SVG」ファイルを選択すればOKです。
アルミフレームのイラストの前処理を行う
インポートされたイラストはグループ化されているので、解除をしておきます。インポートした部品を選択してオブジェクト → グループ化解除で行えます。
イラストのサイズを確認します。イラストを選択し幅40㎜となっているかを見てみます。変更する場合はここで行っておきます。
今回は40㎜なので、このまま作図していきます。
アルミフレームを延ばしていく
イラストは長さが100㎜なので長さを変更していきます。縦方向のアルミフレーム部分を選択して、高さを800㎜(設定高さ)-80㎜(横方向フレーム分)=720㎜を入力します。
横方向も同様に選択して、こちらはそのまま1000㎜として延長します。この場合は幅方向の数値を変更してください。こんな感じになります。
複製して架台の形状を整える
L形状にまでできたフレームを□形状にしていきます。全体を選択して複製します。複製をした場合、選択しているものの真上に新たな複製したイラストが置かれます。見た目上はそのままなのですが、ドラッグすると複数できている事が分かります。
複製したらそのまま反転させていきます。水平方向、垂直方向を反転させるとおよその形状が出来上がります。
これを重なった部分だけずらせば、□形状は完成です。選択した状態でY座標を40加えて記入するか、↑ボタンを何度も押して位置を変更しましょう。ブラケット部分を複製して追加すれば架台の外枠は完成です。
アジャスタ・キャスター・天板を設置する
同様にアジャスタとキャスターについてもイラストをインポートして配置していきましょう
設置後のイメージはこんな感じです。
天板は矩形で実際に描いていきます。
足元の板も追加して完成です。2面図を作成する場合は横方向を800㎜にしたものを追加すれば、仕様通りのアルミフレーム架台の完成です。
注意事項
このイラストは外観イメージをより分かり易く伝える為のイラストである事を主旨としています。何が言いたいかというと、正しい製図に基づいた図面ではないのでご参考までにという事です。例えば、アルミフレームの脚部分にアジャスタパッドがついていますが、実際はこのようなアルミフレームの組み合わせでは取付できませんよね。本稿ではそういったツッコミもあるけれども、大枠は伝わるしイメージしやすいイラストを非設計者が著作権フリーのイラストを組み合わせて短時間で作成できますよ。という時短ツールの提案という事でご理解頂けると使用する価値が出てくると思っています。ちなみに本架台の描画時間は慣れてくれば1分もかかりません。
見積・仕様打合せ用として使用する
社内資料用として使用する
設計者への説明資料として使用する
イラストの通りを設計する
承認図として使用する