機械設計者について
機械装置を製作する上での最大のキーマンと言っても差し支えないのが機械設計者ではないでしょうか。そもそもCADの操作自体に特殊性があり、且つ分野も建築、機械、プラント等、専門性も求められます。スキルの高い設計者が個人事業として多く活動しているのにはその特殊性や仕事の価値の高さにあるからだと思います。
私の経験した立ち位置では、FA化のプロジェクトマネジメントという視点が多いのでその視点からの話となりますが、機械設計者との折り合いをつけるのに必要なのは基本的に決定した仕様を設計作業工程へうまく伝える作業に尽きるという事です。
個人的意見ですが、機械設計においてはとにかくその設計者を尊重する事を一番に考えると良いと思います。要は気持ち良くお仕事をしてもらう為のサポートに徹する事です。前提として決め事は先に詳細に伝えておく事と、その資料(仕様書)に基づく打ち合わせは完了しており、致命的な食い違いに関しては指摘できる状況としておく事は必要です。
どんな仕事でもそうですが、後から実は・・・という指摘が入るのは単純な二度手間もありますが、精神的なダメージも相当なのでそこは避けたいポイントですね。ただ、世の中設計変更、後出し仕様なんてのは日常茶飯事ですから、実作業者への精神ケアについては充実させておく事が望ましいです。せめて最初に決まった設計者へ伝えるべき情報というのは具体的で情報がそろったものを正しく、早く、わかりやすく渡す事に努力したいものです。
設計の仕事というのはホントに時間のかかるものだし、異常に大変なのは分かります。また、機械装置の設計というのはまた毎回同じものを作るのであれば良いのですが、似たような機械の設計製作でも毎回仕様が変わり、要望も増えていくものなので、必ずミスが発生するのです。そのミスが発生する事を許容していく、または事前に織り込み済みで計画する。という事は絶対に必要です。あなたのご存じの設計者と現場担当の人って仲が悪くないですか?知り合いの会社では殴り合いのケンカになったなんて話も。
ミスのない図面というのは世の中を平和にする事ができる価値のあるものなのです。発生した際は事前に仕様書に記載する事でそれをつぶせなかったかを一度振り返ってみてください。そして設計者の方をどうぞ、なるべく責めないであげてください。私もできるだけ、そうしたいと心に刻みながら、仕事をしていきたいと思います。