仕様書フォーマットの提供
FA計画.comではフォーマットをご準備しています。項目のみを載せたシンプルなフォーマットにしています。様々な装飾についてはそれぞれの会社に応じてカスタマイズして頂ければ良いと思います。
仕様書作成の重要性
具体的に機械装置製作を進めるに際しては、仕様書を作成していきましょう。機械装置を導入する企業が製作する資料で依頼先への提示が必要となります。もし、請ける側の立場として仕様書が提示されない場合や情報が圧倒的に少ない場合、その多くはトラブル要素を含んだ案件となるでしょう。トラブル要素は以下の4通りです。
仕様書作成時のトラブル要素4例
機能が足りない
機能が過剰である
検証が不十分である
メンテナンスの問題が発生する
機能が足りない
必要な機能が記載から漏れていると後々、追加依頼が発生し、費用もその分掛ります。必要項目の洗い出しが不十分な際にみられる事で、しっかり確認する事で発生する事も少なくなるのでまず仕様書のフォーマットにある必須項目の充実を目指しましょう。
機能が過剰である
今度は記載していない機能を余計に搭載してしまい、思っていない費用が掛かる事があるという事です。ここでは不要な項目を明記する事で装置品質や価格をコントロールしていくという手法で少し知識と経験が求められます。
この件はもちろん過剰な機能とはいえ、決定的な不具合とはならない為、あまり問題はありませんが、適正な価格を保つ上では必要なので経験を積んで高めていく意識が必要であると言えます。
検証が不十分である
仕様書に掲載するという事は実施するべき項目なので、機械装置で実現可能かどうかを検証する段階は仕様書作成の前段階となります。実現可能かどうかわからないものを仕様書に記載する事は仕様書作成側の怠慢であると言って良いと思います。せめて、検証できていませんので製作側で検討してご提案ください。という明記は必要でしょう。
例えば、検査工程等で、人の目でしか判断出来ないようなわずかな傷もカメラで見てOK品とNG品を検査します。と仕様書に記載しても、おそらく実現方法を明示しないと実現はできないと思われます。今回の例ではAIの画像検査という非常に高度な検査方法が必要で実現にはディープラーニングを行い、専用のソフトウェアでの実装が求められ、また高額な金額がかかり、対象の少しの変更にもまた膨大な時間とお金が掛かる事が予想されます。それは事前にAI画像検査をテストして、その予算を盛り込んだ案件であるのかが必要です。
メンテナンスの問題が発生する
メンテナンスでの問題は大きく分けて2つあります。
メンテナンス性を考えていない仕様
簡単なところでは、カバーの取り外しが容易でない、安全柵がありアプローチが難しい等単純なものから、使用するアクチュエータが破損した際に破損部分だけが交換できないタイプのものでその全て再度購入しないといけない等様々です。現場保全担当者の愚痴がでる箇所なので中々仕様書の段階では全て網羅できるとは言い難いですが、運用時にそれらの意見を吸い上げて次の機械装置製作への参考とするべきでしょう。
破損時の責任の所在の明記
要は装置の不具合で破損した際に製作側に責のある不具合の場合は対応してもらえる旨の記載が必要という事です。使用していて作業者に起因する破損による対応や消耗部品の破損に対するメンテナンスは社内で対応となると思いますが、そもそもの製作段階での不具合の場合は運用してみないとわからない点もありますので、納入後も保証期間を設けて正しく運用できない場合は対応を無償でしてもらえる事が必要であると言えます。一般的に保証期間は納入後1年間や稼働時間2000時間くらいが目処となります。
外観イメージを作成する
機能を箇条書きにして細かく記載する事も必要ですが、まずは外観イメージを作成する事が仕様書をやりとりする上では相互理解が進むのが早いと思います。「百聞は一見に如かず」というやつですね。但し、仕様をやり取りしていたり、検討していたりする場面では仕様書も版数を重ねて修正してく過程なので機械設計へ作図の依頼もなかなかしにくいです。そこでここでは仕様書作成段階での外観図のやり取りに使う方法を一つご提案致します。
非設計者が、およその外観が分かる装置や機械イメージの作成を容易に実現する方法です。
簡単に言うとイラストをコピペして作成します。使用するソフトウェアはinkscape(フリーソフト)を使います。イラストは当サイトで機械要素を順次公開するのでそちらのダウンロードによって行えます。実際の作成方法はそちらの記事からご参考ください。